#4 アイ・シィ・ユー (めだかさん)
描写がほんとうに丁寧で、誠実で、病院のせわしさと具体さと薄寒さを感じていて、
海のことばをつかうのも、それが生命とつながりがあると考えるととてもすばらしい。
なんというか、非のつけどころがないように感じた。
#6 微睡 (久遠さん)
言葉のリズムはとても美しかったと思います。
短編の定義に沿っているかどうかで判断しようとするとなるとまたガタガタしてきそうなので、割愛。
べつに考えなくてもいい気がしました。うつくしくない一万字よりいいにきまってる。
ただ、これって、現実として、実質優勝は難しいという判断もついておられるだろうと思うのね。
コンテスト性を特に重要視する方だったと思うんですが、ええと…参加に意義があるとか?
#13 ハチミツ23号 (安南みつ豆さん)
素晴らしいと思いました。こういう類の作品がとても好きなんです。
全体の雰囲気をこうつくりあげているのがよいんじゃないかと思います。
丸く、まろく、甘い。子供の声なんか、ハチミツの粒子の漂う世界に響かれたら、素敵過ぎて。もう。
#17 とにりさられる午後 (朝野十字さん)
私は割と好きなので、好きな人間が好きなら挙げておくべきでしょうかねと思ったり。
なんにせよ、くちずさんでとてもすてきだと思います、「とにりさられる午後」。
色の描写のくだりも、鮮やかで、私は好きです。
ただ、正直、朝野さんがこういう手法でこれを書く理由が、あまり切羽詰っていないのを感じます。
こういうの書ける人って実は多くて、こういうのしか書けない人も結構居て、後者の類の人は、
切羽詰っているだけ、中身が異様につまったものを書くんですよね。それが圧倒の原因になる。
この作品がつまっていないとは思わないんだけど、専門でないという前提だけが、なんだか。
もちろん、専門でないにもかかわらず書けるというのは、よいことにかわりないはずなんですけど。
#18 千夜一夜 (野郎海松さん)
お話としての内容は、特に好きなわけでなく、そうですか…と読み終えてしまうんですが、
「たった、独りで。」に、しゅうっと収束を感じました。
そういう相性であるらしいです。ひとところオーラの濃い一文が存在すると感じる。
#20 ■□■□■□1/2 (逢澤透明さん)
不思議の分野であれ、現実的分野であれ、物語的分野であれ。
きちんと読むと、ああしっかりしているのだ、と思いました。この作品が。
ブランコは、あれは何かなあ。でも確かに、ひとつだけを漕ぐとき、半分がわかれているような気がする。
#21 赤土に死す (川野直己さん)
おもしろかったですけどね。うわっ、笑いだよ。と思いました。
「そんなに綺麗なねこではない」と書かれているにもかかわらず、
1パラの描写が妙にうつくしいので、そのイメージでそのまま読んじゃうわけで、
いい感じの、笑いに意向→ハイおわり感、なんじゃないかと思われます。
読んでてニヤニヤしたので、おもしろかったってことです。
殺鼠剤はさっちゅーざいと読むんでよろしいんですかね?やはり。
#23 波 (ゆうさん)
癒しが少ないもので、ハチミツ23号と合わせて、いてくれてとても嬉しいと思った作品。
それだけじゃないですけどね。少し単調なんだけど、それが穏やかで、好きなのです。
がんばってね松子さん。登場人物の、さきを思うことって、実は結構少ない。だからいい作品なんじゃないかなと思って。
#24 茅の輪くぐり (朽木花織さん)
うまく話に入れなかったのですが、ラスト一文の意味が理解できたときに、ああなんだかうつくしいのかもと思いました。
紅に収束された、中高生ほどの年の女の子のイメージと、少しヒステリックな声とか、泣きそうなのとか。
#26 少年 (真央りりこさん)
「夕日の飛沫」が好き。藪ってこんなんだったかもしれないな。
帰りつけないことには、つい首を傾げるのですけど。帰りつけないと、切なくないですから。
合歓の木はいいですよね。小学校の中庭にあったな。
#28 愛を。自由を。 (るるるぶ☆どっぐちゃん)
「愛」はまったくどうもすいません、言語も泉の所在もちがう、とっかかりがなかった。
ただ、「自由」箇所なのかなとおもわれる、黄色のアイシャドウの2009は、うつくしいと思いました。
「あたしこれで良い」「うん。大丈夫」が好きなんです。自由の本質っていうか。